インド スラム街ツアー 5

スラム街には教育と希望と技術があった。
マティルにパソコン教室を見せられてすっかり「スラム街」のイメージが崩壊した。
前回記事はコチラ インドスラム街ツアー4



マティルはまたすぐに道なき道をどんどん歩き出すので、すっかり怯え切った我々ご一同は前の人のシャツの袖を掴みながら必死でゴミの中の居住区を練り歩く。

相変わらず、暗い穴の中にある部屋をじーっと目を凝らしてみると人の目がキョロキョロ👀動いたり、白い歯が見えてやっと人が住んでいることに気づく。

スラム街の家

今度は、マティルは真っ暗な半地下の小屋に入った。

オレンジ色の裸電球がビリビリと音を立てながら室内を照らしており、中はレンガ作りになっていた。
広さは女性が横に5人は並んだらいっぱいであろう。
そこでは3人の女性がせっせと作業をしていた。

ここでは、お前らが来ているTシャツを作っている。

お前らのために作ってんだと言わんばかりの口調で説明された。

女性3人の役割は分かれており、
「Tシャツを渡す人」
「柄のスタンプを押す人」
「たたむ人」
となっている。

これがわかりやすい「カースト制度か。」と感心した。
親切心でも隣の作業を行う事はご法度である。


マティルはクルリとこちらを振りかえって付け加えた。

このスラム街に好き好んで住んでいる。
ここには皆に役割があり仕事がある。
街で物乞いをするのはナンセンスでラクをしている。

完全に目から鱗だった。
スラム街に好きで住んでいる。
スラム街に追いやられたのでは無く、仕事を探して住む地域だった。
本当に本当に、何だか自分が思っていた場所とは全く違っていた。

スラム街の洗濯物やTシャツ製造場

この2時間で自分の固定概念は完全に壊れた。
たった2時間、されど2時間である。
少しだけ、インドを知ることができたのかなと嬉しく思えた。

こうやって皆で「ゴミだらけの道なき道を怖がりながら」、「子供達に手のひらを触られないようにしながら」、「変な空気や虫が口に入らないようにしながら」、「はぐれない様に前の人のシャツを掴みながら」歩く「今」は自分の人生にとってかけがえのない時間なのではないかと思えた。

また光が差し込み、道が開けた。
気が付くと、2時間前に待ち合わせした駅が前方に見える。
たった2時間前は西洋人がエキサイティングにカメラを回していたが今は違う。
かなり安心した表情をしている。


マティルは両手を広げて「終わりだ。」と言った。
更に、こういって空き缶を突き出してきた。

今まで見た学校や子供の教育にするために募金して欲しい。いくらでもいい。

すっかり刺激を受けたアヒルは1,000円分のインドルピーを渡した。
こんなに未来を見るのであれば、何だか応援したくもなってくる。

骨が見えそうなほどの細い足に、細い腕。日に焼けすぎた肌に狭い肩幅の後ろ姿だけど、ここで生きるマティルが力強く感じた。

水道水を捻れば水が飲める国に住んで、面倒くさかったら仕事をサボって生きている自分よりも魂を燃やして生きているように思えた。

ここはインド。
マティルの行ったことが本当か、見たものが演出なのかもわからないけれど、彼らがこの企画を考えて演じたのであれば、それはそれで大したことだと思うし、価値があると思う。

アヒルはマヤンクにありがとうと言ったら、マヤンクはやっと笑ってくれた。

アヒルトマヤンクはやっと車に乗り込んで家路に向かった。

インドスラム街ツアー 1話
インドスラム街ツアー 2話
インドスラム街ツアー 3話
インドスラム街ツアー 4話
インドスラム街ツアー 5話


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