インド スラム街ツアー4

(3話の語尾) 3話はコチラ
また少し広くなった場所でマティルが足を止めた。

(4話開始)
マティルがすっかり怯えた10人の方に振り返って説明を始めた。


繰り返しになるが、3話のインドの5番街と同様、少し開けた場所に行くと安心する。
あのゴミ屋敷と、ハンドメイドでどうにか作ったであろうタコ足配線から這い出た電線ケーブルが絡まった道なき道は、いつ横から攫われても誰も気づけかないし、何かあっても遺体も発見されないのは明らかだ。


米国人だろうが、どんなに屈強な男であろうと、どんなにお金持ちでゴージャスな美人だろうとマティルが一番偉い。
本当に命の保証は無いと全員が分かっている。

india slam town

「ここがパソコン教室だ。」


マティルは誇らしく両手を広げた。
そこにはゲゲゲの鬼太郎の家にそっくりな場所があった。

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スラム街のPC教室(イメージ)

部屋が混んでるから、3人づつ登って中を見てみろ。


とマティルは相変わらず上から口調で我々に言った。

木の上を階段で上って中を覗くと本当に驚いた。
小さい子たちがブラインドタッチでPC入力するのに没頭している。

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PCを学ぶ子たち(イメージ)

テーブルも椅子も無い場所に適当に座り、膝の上にPCを置いて集中して打ち込んでいる。
前には黒板の様な物に英語で書き殴りの文字で何かを教えた形跡がある。
相変わらず電源はタコ足配線で絡まりまくっていたり、外はうるさいがが、子供たちの集中力が物凄い。

この空間では誰もが本気だった。

スラム街てこんな感じなの?


アヒルのイメージでは、電気も何もなくて、貧しくて失望した目をしていて・・・と勝手なイメージがあったが、彼らは「有料放送を見て」、「PCを学び」、「2か国語を話している」事実がそこにはあった。

俺たちは2、3か国語に数学、そしてIT分野もimproveしようとしている。
世界に出ていくんだ。

と言ったマティルの目は輝いていて言葉に命が宿っていた。

またもやアヒル一同皆驚いて言葉も無かった。
毎日、満員電車で死んだような目をした自分は何しているのだろうと思った。
また、

これって、日本の富裕層の子供教育と同じじゃないの?

とも思いました。

彼らはこのゴミ屋敷から世界を見ていたのは明らかだった。

そおいえば、インドのエンジニアはアメリカにも沢山いたし、ヨーロッパのオフィスにも沢山いたことを思い出した。


ただ、マティルが言うように「複数の言葉も話し」、「IT」も使いこなしているのに何故か抵抗を感じるのは何かと考えた。

アヒルが思う所は、この絡まりまくったタコ足配線の様に、彼らは日本人の理想である整理整頓をしない所と、パーソナルスペースの狭さだと思った。
話しも整理されていないので、いちいち会話が長いし情報が多すぎる。
マティルも人と話す時、ちょっと近い。。。
しかしそこは、日本人が世界基準ではない可能性もある。

少なくとも彼らは世界を見据えている。
東京の洒落たcoffeeからでなくとも、木の上のパソコン教室から世界を見ている子友達がいて、そんな人達と世界で勝負しなくてはならない自分はこのままでは勝てないと強く思った。

スラム街には教育と希望と技術があった。

またマティルが歩き出し、一同は慌てて後を追った。
(5話へ続く)

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